夜に限って歯が痛くなってしまうのはなぜか
血液が頭部に流れやすくなる
横になると、頭部へと血液が流れます。血管が膨張して神経が圧迫されるため、日中に鎮まっている痛みが表出しやすくなります。
自律神経のバランスの変化
活動量が減る夜になると、副交感神経が優位になります。血管の拡張・血流の増加によって、神経が圧迫され、痛みを感じやすくなります。
入浴・飲酒などで血流量が増える
入浴や飲酒が血流を増加させ、神経を圧迫することで、痛みが現れやすくなります。
夜に歯が痛くなる主な原因
夜に歯が痛くなる主な原因
虫歯が進行し、炎症が血管や神経の詰まる歯髄にまで達すると、特に夜に痛みが強くなる傾向にあります(歯髄炎)。
また、さらに進行して神経が死に、歯の根で膿が生じている場合も、同様に夜に痛みが強くなります(根尖性周囲炎)。歯髄の神経ではなく、歯茎の神経が痛みを感じ取ります。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合には、そのダメージの積み重ねによって歯根膜や歯周組織に炎症が起こり、痛みを感じます。夜になり血流が増え、神経が圧迫されることで、痛みが強まります。
上記以外の原因
親知らずや歯周病による炎症も、夜中の歯の痛みを引き起こすことがあります。
歯が痛くて眠れない時の対処法・自分でできる応急処置
痛い部分を冷やす
痛む部位を、頬の外側から冷やします。冷たいタオルなどを当てると良いでしょう。
温めたり、氷を口に含んで直接冷やしたりすると、痛みが増すことがあります。
鎮痛剤の服用
処方されたり薬局で購入した鎮痛剤を服用します。「歯痛」への効果が記載されているものを選びましょう。
あくまで応急処置ですので、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
軽くうがいをして歯に詰まったものを除去する
ある程度硬いものが歯間に挟まったときなどにも、歯が痛むような気がすることがあります。
うがいをしてみて、食べかすなどが詰まっていないか確かめてみると良いでしょう。
虫歯で穴が空いている場合などは正露丸を歯に詰める
虫歯で歯に穴が空き痛む場合には、正露丸を詰める方法も有効です。添付の説明書やホームページにも記載されている、正しい使い方です。鎮痛剤を服用するよりも早く効き、痛みが和らぎます。応急処置ですので、その後必ず歯科医院を受診してください。
歯科の夜間救急外来を受診する
夜間の救急外来として、病院の歯科を受診するという方法もあります。新聞やインターネットで検索すると、該当する受診先が分かります。
ただ、救急外来では応急処置を受けることになりますので、後日必ずかかりつけの歯科医院を受診してください。
歯の痛みが悪化してしまうこと
指やつまようじなどで痛い歯を触る
患部を傷つけたり、細菌を付着させる可能性があります。
喫煙
煙に含まれる有害物質が患部を刺激し、炎症や痛みが悪化します。
入浴・運動・飲酒など
いずれも血管の拡張や血流の増加を招く行為ですので、控えましょう。シャワーを使用するときも、ぬるめのお湯にしておきましょう。
後日必ず歯科医院を受診しましょう
夜間の歯の痛みが応急処置で軽減できたとしても、虫歯や炎症などの口腔トラブルが治ったことにはなりません。 翌日の日中のうちに痛みが再発してもしなくても、必ず歯科医院を受診するようにしましょう。