子供の歯並びが気になる…歯並びが悪いとどうなるの?
お子さんの歯並びが悪い場合、問題となるのは「見た目」だけではありません。それ以外にも、さまざまな悪影響が心配されます。
見た目がコンプレックスになってしまう
近年、お子さんの歯並びの重要性が見直されるようになり、歯並びが悪いと昔よりもお友達の中でも目立ってしまいます。
歯並びが悪いことをコンプレックスに感じ、積極性が失われてしまうことがあります。
虫歯や歯周病になりやすい
食べかすが詰まりやすくなることに加え、歯ブラシが届きづらくなります。さらに、口が閉じにくいことから乾燥を招き、唾液の自浄作用が低下することで、虫歯や歯肉炎、将来的には歯周病のリスクが高くなってしまいます。
食べ物が食べにくく食事が苦痛になる
前歯で肉などを噛み切る、奥歯ですり潰すとった機能がうまく働かず、食べにくさを感じます。食べ物を細かくしないまま飲み込んでしまう癖がつくと、消化不良の原因にもなります。
発音しづらく滑舌が悪くなる
空気が漏れやすいこと、舌が正しい位置に収まりにくいことから、発音に支障をきたし、滑舌が悪くなることがあります。特に学校に入ると、発表や本読みなどで人前に立って喋る機会も増え、滑舌の悪さがコンプレックスにつながる原因にもなります。
体の歪み・全身への負荷が生じる
歯並びの乱れは、顎の左右のバランスの乱れ、身体の骨格のバランスの乱れへと波及します。
顎関節症や首・肩の痛みなどの原因になることもあります。
【年齢別】子供の歯並びをよくするには?
幼少期から思春期にかけては、心身の発達が著しく、生活環境・行動範囲・興味や関心が成長とともに大きく変化します。
ここでは、年齢別の注意点、歯並びの改善・予防方法をご紹介します。
0~2歳:乳幼児期
- 赤ちゃんによって差がありますが、1~2年半の母乳育児をおすすめします。鼻呼吸への移行、口周りの筋肉の発達と正しい舌位の獲得が期待でき、これらはいずれも歯並びの乱れの予防となります。(哺乳瓶は母乳と比べると楽に飲めるため、効果にやや差が出ると言われています)
- 離乳食に移行してからは、前歯と奥歯をそれぞれ正しく使うことで、口周りの筋肉・顎のバランスのよい発達を図ります。
- うつ伏せ寝は、顎の骨格のゆがみにつながることがあります。できる限り避けましょう。
3~5歳:幼児期
- 特に食事の際、お子さんの姿勢に気をつけましょう。大人用の椅子に座り足がぶらぶらした状態は、姿勢が悪くなる原因になります。子ども用の、足を置く場所のある椅子を使いましょう。
- お口に入れた食べ物をしっかりと噛んでから飲み込むことで、口周りの筋肉・顎の発達が期待できます。
- 4歳頃には指しゃぶり、おしゃぶりの使用をやめさせます。(これ以前に無理にやめさせる必要はありません)
- 鼻呼吸がしっかりできているか、うつぶせ寝をしていないかをチェックします。
- 受け口の場合、この頃から矯正装置を使った治療を開始することがあります。
最適な矯正治療
6~11歳:小学生期
- 6~7歳頃は、一般に、矯正装置を使った治療開始に適した時期です。もちろん、それ以降であっても治療は可能です。
- まだ口呼吸をしている場合には、しっかりと治します。
- うつぶせ寝、頬杖などが歯並びへの悪影響となることが理解できる年齢ですので、お子さん自身にそのことを伝え、意識させます。
- テレビ、テレビゲーム、携帯ゲームなどへの興味が強くなる時期ですので、その際に姿勢が悪くならないように注意します。
- 習い事などを始めることが多い時期です。忙しくて歯磨きを忘れる、早食いをしてしまうといったことがないように注意します。
最適な矯正治療
Ⅰ期矯正(床矯正)
12~14歳:永久歯の発育期
- 永久歯への生え替わりが終わる時期です。ただ、顎の成長は15歳くらいまで続きます。それ以前に矯正治療を行うことで、抜歯を避けられる可能性が高くなります。
- 口呼吸、うつぶせ寝、頬杖、姿勢不良などの癖・習慣については、引き続き注意し、必要に応じて指導します。
最適な矯正治療
Ⅱ期矯正(ワイヤー矯正)
歯並びが悪くならないための予防方法
普段から姿勢をよくする
姿勢が悪いと、前歯で噛み切る・奥歯ですり潰すといったお口の機能が十分に働きません。すると、顎・口周りの筋肉の発達もなかなか進まず、歯がきれいに並ぶためのスペースが不足してしまいます。普段から姿勢をチェックし、改善します。
正しい姿勢を維持できる筋力を得るため、しっかりと外遊びをさせることも大切です。
口呼吸はNG!鼻呼吸を意識する
口呼吸は、口周りの筋肉の発達を妨げて歯並びを乱す原因になります。また、口腔の乾燥によって虫歯や歯肉炎、口臭のリスクも高まります。
口呼吸は、特に早い段階で改善しておきたい癖です。口周りの筋肉を鍛えることで、改善が期待できます。
よく噛んで食事をする
よく噛むことは、顎・口周りの筋肉の発達を促進します。また、唾液の分泌も促進され、虫歯や歯肉炎の予防にもつながります。ひと口で30回は噛むようにさせましょう。
やわらかいもの、食べやすいように小さく切ったものばかり与えていると、無意識に噛む回数が減ります。適度に硬いものを食べること、少し大きいものをよく噛んで食べることも大切です。
定期的な歯科検診
定期健診では、虫歯や歯肉炎だけでなく、歯並びや噛み合わせのチェックも行います。歯科医師・歯科衛生士が定期的に、継続的にお子さんのお口をトータルチェックすることで、現在だけでなく将来のリスクの予測、そしてリスクを回避するための予防ができます。
もちろん、適切な時期に矯正治療を開始するためにも大切なことです。
食べ物は歯並びに関係するの?効果的な食べ物は?
適度に硬いもの・食べにくいものを与えることで、噛む回数を増やす
野菜スティック、小さくカットし過ぎない肉類、レンコンの煮物、フランスパンなど適度に硬いもの・食べにくいものも与えるようにしましょう。自然と噛む回数が増え、顎・口周りの筋肉の発達が促進されます。
おやつでは、するめ、煮干し、ナッツ類、リンゴ・梨などがよいでしょう。キシリトール入りのガムもおすすめです。