舌癖とは?舌で歯を触ってしまう原因は?
舌癖って何?
舌癖とは、舌で歯を押したり触ったり、舌を噛んだり、歯と歯の間に舌を押し付けたりする癖のことです。ほとんど無意識に行われるものであり、食べ物を飲み込むたびに舌癖が起こっているケースも見られます。
一見なんでもないような癖ですが、歯並び、身体へと悪影響を及ぼすことがあります。また舌癖は、ポカン口の原因になることもあります。
舌で歯を触る「舌癖」の原因
離乳食を食べるときに唇を正しく使えていない
離乳食を食べる際に唇を使えていないと、舌を前方に出す癖がつくことがあります。
食べ物が乗ったスプーンを唇で挟み込み「パクッ」と食べることが大切です。
指しゃぶりが治らない
指しゃぶりを4歳頃までにやめさせないと、前歯が傾き、その隙間が気になって舌で触る癖がつくことがあります。
重度の虫歯などで乳歯の前歯が早く抜ける
重度の虫歯などで乳歯の前歯が本来より早く抜けると、永久歯が生えてくるまで、歯がない状態が長く続くことがあります。すると、抜けたところが気になって舌で触る癖がつく可能性が高くなります。
慢性的な鼻づまり
アレルギー性鼻炎などに伴う慢性的な鼻づまりは、口呼吸の原因となります。口からの空気を通すため、舌の位置が後方へと下がり、舌癖が生じやすくなります。
舌を噛む・舌を出す癖は体や歯並びに悪影響!
どのような悪影響を及ぼすの?
舌を噛んだり前方に出す癖は、口周りの筋肉のバランスを崩し、歯並びの乱れの原因になることがあります。また、直接的に歯を押すことで、傾けてしまうこともあります。
体への影響も懸念されます。舌癖から口呼吸が引き起こされることで、ウイルスや細菌、アレルゲンの侵入が容易になり、すぐに風邪をひいてしまう・アレルギーになるリスクが高まります。
舌癖のせいで出っ歯や受け口に?悪化する歯並びの例
出っ歯(上顎前突)
舌で上の前歯を押すことで歯が傾き、出っ歯になることがあります。
受け口(下顎前突)
舌が後方に下がることで、食べ物を飲み込むときに下の前歯を舌で押す癖がつき、受け口になることがあります。
前歯が閉じない(開咬)
上下の前歯で舌を噛む、隙間に押し付けることで、その上下の前歯のあいだに縦方向の隙間が生じてしまう開咬になることがあります。
舌癖(舌を噛む・出す・歯を押す)の治し方
正しい舌の位置を覚え、習慣づける
安静時の舌の正しい位置は、「スポット」と呼ばれる「舌先が上の前歯の裏側にあり(前歯とは触れない)、舌の表側が上顎にくっついた状態」です。すると、自然と口が閉じるようになります。
お子さんにこの正しい舌の位置を伝え、覚えてもらいましょう。
舌のトレーニングをする
あー、いー、うー、べー、のお口を作る「あいうべ体操」、キシリトール入りのガムを口の中で丸める・伸ばすことを繰り返す「ガムトレーニング」、突き出したベロをグルグルと回す「ベロ回し」などで、舌の筋肉を鍛えることができます。
矯正装置で治療する
歯並びがすでに乱れている場合には、急速拡大装置、拡大床、マイオブレース、ワイヤー矯正といった矯正装置による治療が必要です。
並行して、舌癖を改善していくことも重要です。
舌癖を治そう!正しい舌の位置と誤った舌位
正しい舌の位置
安静にしているとき
舌先が上の前歯の裏側にあり(前歯とは触れない)、舌の表側が上顎にくっついた状態が理想的です。自然と口も閉じられます。
飲み込むとき
舌で食べ物を後方へと押しやり、そのまま舌先が上顎に触れた状態で飲み込みます。飲み込んだときには、奥歯が噛んだ状態にあります。
誤った舌の位置
安静にしているとき
- 舌が下顎に密着している
- 舌先が上の前歯に触れている、押している
- 舌が上下の歯のあいだにある、歯で舌を噛んでいる
飲み込むとき
- 舌が下にある
- 舌先が上の前歯に触れている、押している
- 舌、唇などが緊張している
- 頭、肩が動く